新国立劇場「愛の妙薬」

2020年9月9日


ドニゼッティの「愛の妙薬」を鑑賞。

「愛の妙薬」の曲は、多くの映画で使われているし、つい最近では「ヴィクトリア女王」の中でもダンスのシーンで使われていました。ちらっと、楽譜が映るんですよね。

高揚感の溢れる、ウキウキとした雰囲気の明るい曲が特徴で、有名なアリアはきっとどこかで耳にしているはず、というくらい。

今日の客層は内容が軽めのラブコメとあってか、年齢層が幅広かった。若いカップルも多い。

要するにこの「妙薬」というのは嘘っぱちで、実は安ワイン。
はっきりいって詐欺にひっかかってまんまと騙されるわけなのですが(笑)、思い込みっていうのは恐ろしいというか時に運命を変える力を生みだすのか。
そんなこんなで終わり良ければ全てよし、ということで、おとがめなし。
いいのかなあ~と思いつつも、・・・あ、なるほど、とやけに納得してしまうのでした。

結局、必要なのはその時行動するために誰かが背中をちょっと押してあげることが必要だった。
ただそれだけだったんだなあと。
「妙薬」がなんだろうと関係ないんですね。

舞台デザインはとてもポップで、巨大な「トリスタンとイゾルデ」の本が建物のように並べられていて、その中で演じる人間は小人たちのようでした。
衣装の色彩も、原色を使い、鮮やかでティム・バートンの世界を思わせるようでした。
ネモリーノなんか真っ赤な髪に緑色の服に黄色の靴。
ベルコーレの衣装は白にシルバーと黒、髪は紫。まるでアニメの悪役みたいで、楽しかった。

ネモリーノは、「薬」に依存しないでその後大丈夫だったんだろうか・・・などと余計な心配をしながら夜道を歩いておりました(笑)。