おしゃれで笑える反戦映画『ミックマック』

2023年6月12日

と~っても!楽しかったです。
観ている間中、笑いっぱなし。
客席も笑いがいっぱいでした。皆、大声で笑ってましたねー。

そして終わってみると、思わず唸ってしまいました。

うーーーん……スゴイっ!!!

オシャレで、可愛くて、楽しくて、めちゃくちゃ笑えて、そして、キッチリ反戦。武器反対!
こんな感覚はチャップリンの「独裁者」以来かも?
なんて思ってしまったくらい感動的なコメディ映画でした。

ジャン=ピエール・ジュネ監督、最高ですね。
かつて『アメリ』を観た時も、すごく感心して監督の感性の豊かさに大感動してました。

はみ出し者だけど実は天才の集団。
廃品回収をして暮らしていて、この家の中のジャンクなインテリアがたまらなく面白いです。

そしてまた、このキャラたちがそれぞれぶっ飛んでて楽しいのです。

こちらの人間大砲はじめ、ギロチン男、料理番、軟体女、言語オタク、発明家、計算機という個性豊かな面々。

なんと、敵は武器商人!

ちなみにこの人間大砲の人はドミニク・ピノンで、すべてのジュネ監督作品に出演しています。

彼らが考える復讐大作戦は、すべて廃品を使っていて、オリジナリティあふれるというか風変わりというか、とにかくこの作戦がめちゃくちゃ面白い!!
詳しく書けませんが、私が特に気に入ったのは一番最後の作戦かな。
一瞬、セルジオ・レオーネ監督の『ウエスタン』かっ?!と思ってしまったんですよね(笑)。

主役のバジルを演じたダニー・ブーンが素晴らしかったですね。
『ぼくの大切なともだち』でも、すごく心に残る演技で印象に残っています。

今回、特に印象に残っているのが涙を流すシーンでした。

こちらはアジトの入り口。
まるでアート作品ですね。

映像も、いつものジュネ監督らしい色合いで美しく、レトロな雰囲気が素敵です。
映画が始まったとたん、その独特の色彩と陰影に、「あ~、ジュネ監督だ~!」と思いましたね。

パリの名所もたくさん出てきます。
これはギャラリー・ラファイエット。
パンフの最後のページに観光案内がのっていたけど、ほんとに行きたくなりますね~
ちょうど友人がフランスへ旅立ったところでした。
自分のことのようにワクワクしてしまいます……。

武器商人の2人。
この悪役キャラがまたすっごく良かった。
2人は道をはさんで向かいに住んでいて、似たような商売をしていて、すごーく似ているんだけど、ちょっとずつ違う、っていう表現が面白かったです。エビの食べ方とか(笑)。
特に、右側のマルコーニ役のニコラ・マリエのキレっぷりが最高でした。
左のアンドレ・デュソリエは『アメリ」でナレーションをやっていた人なんですね。

素晴らしい作品でした!もう一度観たい!