あるスキャンダルの覚え書き

今回観に行った最大の目的は、ビル・ナイを観に行くこと、でした(^^;)。

そういうわけなので、内容的には私の興味をひくところではなかったのです。

でも、観た結果、すごく面白かった!!すっかりひきこまれてしまいました。
全く期待してなかったのが良かったのかもしれないですが、
しかし主役2人の女優さんはかなり達者なわけだし、それにかなりのクセモノです。


まず、ジュディ・ディンチの役はインテリなんだけどサイコな危険人物なのです。
これが実に怖い。
でも、こういう人、男でも女でも、結構身近に存在しているんですよね。
以前、私の友人もこういう人に”気に入られて”、かなり大変なことになってたことがあったりしましたね。
また実際、私の周りにも存在していたことがありましたっけ・・・
にこやかで親切そうな微笑の裏に、嫉妬と妬み、その他いろいろなドロドロしたものが存在するなんて、考えたくはないですが、現実にはよくあることなんですよね。


さて、対するケイト・ブランシェット、バベルでは衣装も変えずほとんど横になってるだけだったのですが(笑)、今回はすらっとしたスタイルの良さと美しさをとことん見せ付けてくれて、ファンとしてはとても楽しめました。
ファッションがまた素敵で、特にコットン素材のティアードスカートの着こなしには参りました。
それにしても、スカートを美しく着こなすのはウエストから腰のラインがものを言いますね。ケイトさんを見ていて、つくづく思い知らされました。
おしゃれのためには、ウエストを鍛えなくてはいけませんね~~。
最近、足にまとわりついて歩きにくいからと(大股でガシガシ歩くせいです)、ついつい敬遠していたスカートに、突然興味がわき、その翌日に早速、はいて出かけたのでした(恐ろしく単純バカ☆笑)。
あと、古着のコートの着こなしも良かったです。
ケイトさんは、さすがにエルフ役を完璧に演じていただけのことはあって、やっぱり人間離れしたところがあるんですね。
ちょっとエロティックなシーンであっても、全然嫌味がないというか、気持ち悪くないというか、あれは演技というよりは、持ち前の雰囲気なのだろうと思われます。
そのせいで、実際はちょっと受け入れがたいようなシーンも、違和感なく観れてしまうところが凄いなと思いました。
そんなエルフさんと、007の「M」との戦いは実に見応えがありましたね~~
冗談じゃなくて、本当に2人の演技はお見事でした。
マジでジュディさんは怖かったです。

ビル・ナイは、出番は少ないものの、タコさんのCGメイクしか最近観てなかったので、素顔のアップが観れて、大満足でした。
妙なダンスも見せてくれて(あれはサービスなのだろうか?)、笑いをこらえるのに大変でした!!
優しい夫でした~~。
ええ、悪役じゃないんです、今回は。
ほんの少しも、です。

作品的には、かなり引き込まれました。
ヒッチ・コックのサスペンスを思わせる緊張感がずっと全体を引き締めていて。
またフィリップ・グラスの音楽が、サスペンスな雰囲気をガンガン盛り上げてくれました。
音楽効果は、かなりのものでしたね。

それに、全体的にイギリスっぽい雰囲気がまたいいんですね。
これは、特にビル・ナイの存在が大きいかもしれません。

サスペンスではあるのですが、演出が舞台っぽいというか、とても品のある演劇、という印象でした。監督はずっと舞台の演出をしていた人とあとで知って、大納得でした。

追記:この手の内容の作品で思うことは、闇と闇は共鳴しあう、ということ。
つまり、闇を寄せ付けたくなかったら、自己の中の闇の存在を理解しておかなければならないんですね。そうでないと、自己の闇に引きずられ、気がつくとそこはダークサイドだった・・・なんてね。

ところで、サイコな老婦人は、ちゃんとターゲットになる種類の人間とそうでない人間を見分ける力を持っているんですねえ。
これを表現するシーンはとても面白かったですね。
会話の誘導のしかたも、レクター博士なみの凄さですよ。